豆知識
2012年問題とは?
2012 年問題とは、エレベーター製造メーカー各社が、本体製造中止後、おおむね 25 年以上経過した機種について “部品供給を停止する “と発表しています。この 2012 年が部品供給停止時期に該当する機種が最も多くなっていることから、総じて 2012 年問題と呼ばれています。
2012 年問題といっても、25 年~ 30 年経過しているエレベーターすべてがそれに該当している訳ではなく、エレベーター製造メーカーの型番により該当するものとしないものがあります。なので、すべてのエレベーターがリニューアルの必要がある” という訳ではありません。
供給が停止になるのは、発電機やモーターなど基幹装置の重要保安部品がそれに該当します。故障するとエレベーター自体が使用不可能になるため、今後この部品が入手出来なくなることによって、修理不可能になってしまうという問題が増えてくることが考えられます。
関連協会の調べでは、国内の稼動エレベーター台数は、約 67 万台あり、把握できない分も含めると 71 万台を超えるとみられています。部品供給停止に該当する機種の台数は明確に把握はできていませんが、数万台が今後数年で部品切れに陥ると考えられています。
上記のような背景から、各エレベーターメーカーでは、部品供給停止を機にビルオーナーやマンション管理組合に向けて、リニューアルするよう呼びかける動きが活発になっています。また、「部品切れ対象機種を顧客側が今後も使用を継続する場合、保守契約を打切ることもありうる」というメーカーも出てきています。
現状として、今現在、リニューアル工事を実施しているエレベーターは、日本製のエレベーターが優秀なこともあり、いわゆる 30 年物と呼ばれるものがリニューアルの主流になっています。ただし、2012 年問題に該当するエレベーターがすべてリニューアル工事をするかといえば、そうではなく、今後は “ほったらかし”の物件も出てくるのではないかと思います。そうならないためにも 30 年を過ぎて稼動しているエレベーターを所有している物件管理者、オーナーの方は、安全第一を考えて、早目にリニューアルすることをお勧めいたします。